現時点で私の事を知っているのは太田と体育教師とアキナと将。



将はその事実を聞いた時、驚いて固まっていたっけ。



私はその日の帰り、いつもの駅で待っていたお母さんと、ケンと一緒に……太田紹介の産婦人科に来ていた。



「お母さん全然分からなくて相談したらね?太田先生がこの病院は腕がいいって」



「…………」



止めてほしい。


腕って……。


堕胎の腕って事でしょ?



私はママになるんだから……何言ってるの?



それでもこの病院に来たのは、事実を確かめなくてはいけなかったから。



高校生の私に行きつけの産婦人科なんてある訳もなく……。



本当に私のお腹に赤ちゃんがいるのかを確かめるため、私は奇妙な形をした診察台に乗りそっと目を閉じた。