実際、私がそう一人で決意した所で、どうにも出来ないんだけれど。



悩んだ所で今出来る事。



それは……今日の所は家に帰る、しかない。



すっかりと、辺りにはネオンが輝き、夜の街へと変わった電波塔脇のベンチから腰を上げると、私もまた家へと向かう。



私はまだ世間知らずで


ただの15歳の高校一年生で


何の力も持っていないけど


高校に行かずに働き始めてた子だって中学には何人かいた。


だから、きっと私達だって生きていける。



降って来る恐怖に負けないように、ただひたすら楽しい未来だけを考えて、私は家へと帰った。



そんな、私が唯一の帰る場所であるハズのそこには……自分一人だけが知らないまま、重苦しい空気が流れていた。