ひょっとして……。
想像していなかった展開に焦りながら身を固くする。
怖くはない……けど、心の準備がまだだよ。
そんな事を言える訳もなく、なぞられていく体から力を抜けない。
陽がまだ高い位置にある為、明るすぎるその部屋では自分を隠す統べも無く。
恐る恐るその腕の中から這い出て瞳を見つめた時、視線がぶつかった。
見つめあった時のケンのその瞳は、本当に大切な物を慈しむ優しいものだったから……。
「いい?」
そんな顔で聞かれたら……何も言えないよ。
強張った体の力を抜くと、そのままケンに体を預けた。
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