そっと耳に手を当てる。



私が抱えた痛み。



もうどれが本当に辛い痛みだったか忘れてしまうぐらい。



風が私のロングヘアを煽り、むき出しになった耳に光るピアス。



その数……今や数え切れず。



もうこれ以上痛まないことを願うよ。



そろそろ、穴を開ける場所も残って無いんだから。



さぁ、帰ろう。



きっと今頃心配しながら



「過去に向き合ってくる!」



そう言って出かけた私を、信じて待っててくれる人の元へ。