そっと駅を離れると、東へ大通りを下っていく。
テレビ局がある道を1本裏に入るとそこに……未だに残る【GJ】の看板。
今でもここへ、偽りの愛を買いにくる人がたくさんいるんだろう。
コウキに殴られた駐車場へと、そっと腰を下ろす。
人を傷つけると心が痛いんだね。
私もあの頃……知らなかった。
自分さえ良ければいいなんて……ありえないのにね。
痛かったし、辛かったけど、あれも私にとっては勉強になったのかな?
あんな私だったけれど、一瞬の癒しをありがとう。
そして、大人になったコウキが人を傷つけるのはいけない事だと、教える側になっていたらいいな、なんて想うよ。