それは本当に少しずつで、その変化が緩やかだったからこそ這い上がれたのかもしれない。



気がついたら私の隣、崖の底にはリュウジが並んで立っていた。



地上は遥か遠くて、頼りにしていた光のリュウジも隣にいるから、外が本当に明るいかどうかなんてそれすら分からない。



だけど、隣にある差し伸べられた手。



こんな私でも、登れそうな場所を探して少しずつ、地上の光へと向かっていく。



どこに足を着いたらいいのか、どこに手を伸ばしたらいいのか。



一人じゃないから分かる事もあるんだ……と、知った。