あれだけ無茶をしたというのに幸い体に損傷は無く、入院して3日後、私は無事に病院を後にした。



死んではいけない。



今度こそ、お迎えが来るはずだから。



少しずつ、食事を摂れるようにして、決められた量の薬を飲もう。



そう、リュウジが言うように私は心の病。きっと、きっと治るから。



久しぶりに入った自分の部屋は、だいぶさっぱりとしていた。掃除しても拭いきる事の出来ない床についてしまった血痕が痛々しい。



そんな光景から目を逸らし、私は久しぶりに愛する人へ繋がる目の前にある小さな箱のボタンを押した。



静かな起動音。



広がる明るい世界。



私は今、この満たされた「LOVE BOX」の中にいるから。



同じ箱なのに、白にも黒にも変化する事。自分の力で変えられる事。



そんな事すら、私は手を引いて教えて貰わないと……見つけられなかったんだね?