そんな夢の国で一日過ごして……結局、摂食障害と風俗業で擦り減り過ぎた体は思うように動いてくれなかったんだけれど。



それでもキャラクターに導かれ、アトラクションを何箇所か回り、差し出された手を素直に握って園内を歩く。



この人の手は、私のものじゃない。



そう思うのに、優しいその手を離す事は出来なかった。



複雑過ぎる心に息が苦しくなって……



「パレードも見る?」



「……もういい」



夕方……すっかり疲れてしまった私は自分でもこの苦しい感情の意味が分からないまま、微妙な笑顔を残して、また彼の地元へと戻った。