-ピピピ-



ホテルの無機質なアラーム音に起こされ体を起こすと、隣に幸せそうなリュウジの寝顔が目に入る。



人の事は言えないけれど……何故、この人が死ななければならないのか。



疑問に思ってしまう。



救ってあげたいなんて、傲慢な事は言えないし……私が何を言った所でリュウジもまた、約束した人といなくなるのだろう。



「おはよ」



目が覚めたリュウジは、昨日よりも少しだけ緊張の解けた顔で笑うから……私も笑顔を返す。



今日は……せっかく遠くまで遊びに来たんだから。



死にたい……なんて考えは忘れて楽しむんだから。