私の仕事は、いつかと同じように午後から始まる。



毎日決められた時間にピルを飲んで、その副作用に耐えながらがむしゃらに……働く。



指定された産婦人科で処方されるピルは一般的な低用量のものではない為、激しく襲い掛かるむくみ、吐き気、胸の張り……。



割り当てられた自分の個室にお湯を張り、ギラギラと安っぽく光を受けるタイルの真ん中に立ってシャワーを浴びる。



親の顔を見たくない私は、家のお風呂は使わずこうして……こんな穢れた店で、自分の体を浄化している。



「あやちゃんってどこか冷めてるよね?」



そんな事を言うお客さんに



「そんな事ないですよ~」



偽りの笑顔で、今日も私は一瞬だけの天使になる。



小さな体に汗をかいて、今日もただ相手の欲が果てるまで……何も考えずに働き続ける。