そんな私の前に……打ち出された最後の言葉。



【寝る前に、アドレス聞いてもいいですか?】



ね……リュウジ。



少し寂しいって思ったのは私だけじゃなかった?



短い時間だけれど、私たちは何かを感じていたのかもしれない。



【いいよ。私のアドレスは……】



その言葉が嬉しかった私は、目まぐるしい速さでその画面に自分のアドレスを打ち込むと



【女の子がそんな簡単にアドレス入れちゃダメ!!】



……え?



俺が打とうと思ってたのに……と、年下の彼にたしなめられてしまった。



【あやさんのアドレスは消しておくから大丈夫ですよ】



オヤスミ、を言ってその部屋を後にした私が目にしたもの。



それは……私の打ち込んだアドレスが画面から消えて無くなるまで、意味不明な文字を打ち込んでいるであろう、リュウジの姿だった。



そして……あっと言う間に私の書いたアドレスは、そこから消えていった。



「ありがと。リュウジ」



少し笑みをこぼしながら……届かない声を、彼へと漏らす。



本当は、ここですれ違うはずだった私とリュウジ。



私に出来た、死にたがりの仲間。