そんなある日。



例によって食事を避けるとまた、愛すべき箱へ命を入れた。



薬が溜まるまでの期間きっとこうして過ごすのだろう。そう思いながら、いつものようにサイトを徘徊していた私の手が……止まる。



こんなの……あったっけ?



お気に入りのいつもの黒いページ。そこに光っている文字。



【チャットルーム】



それまで私はネットで情報収集をする事はあっても、その中の人間と関わる事はあまり無かった。



せいぜい情報交換の掲示板、ぐらい。



何故、今日こんなにこの部屋に惹かれてしまったのか。



もし、運命と言うものが存在するのなら……この日、私は確かに運命の糸に引き込まれた。



……入って、みる?



自問自答すること数分。



痩せた手がそっとマウスを動かして行き……気がつくと私は【入室する】のボタンをクリックしていた。