セイコ姉さんやサエさんが働きに出て行ったのは、隣県の一大ソープ街。



そこでは暗黙の了解で、18歳以上でも働く事が出来た。



しかし……市内の店では20歳以上しか許されていない。



私がソープという職業につかなかったのはそんな理由もある。隣県までタクシーで通うなんてとても無理だったから。



だけど、今は違う。成人して切符を手に入れた私はまた、堕ちる。



市内のとあるソープ店へと面接に行ったのは、それからすぐの事だった。



大嫌いな産婦人科で、病気の検査を受け、万が一に備えてピルを服用する事を義務付けられた。



ここでは今までの風俗とは違い、仕事内容も増える。



例えば……これまでみたいに店側が全面的にお客を集める事に力を注いでくれる事は無く、お客さんが吸うタバコから、仕事で使う避妊具まで全て自腹で用意をする。



お客さんが来なければ収入が無いだけ……の今までと違い、タオル代、もしくはお茶代の名目で収入が大幅に引かれていく。



つまりは、一人の相手に体を許した所で、自分の手元には何も残らない……シビアな世界。



そんな世界で、ただ虚ろな瞳をして……私は働く。



一日でも早く……自らの命を絶つためだけに。



そして、楽になるために……。