その翌週。



体育の授業は2クラス合同……それは結局男女別れてしまうからケンと一緒では無いんだけれど。


5組は男子の着替え、6組は女子の着替え場所だと決まっていて。



「体育の時さ、知らない人の所嫌だからケンの机借りていい?」


「あぁ、別に好きにしていいよ」



そんな口約束を交わしているので遠慮なく大好きな人の机に自分の制服を置かせてもらっていたりする。



「相変わらず普通だねぇ……」


「なにが?ってアキナ!!勝手にケンの机漁らない!!」



この積極的さが時々欲しくならないでもない。そんなアキナは3年生の先輩に同じく片思い中だ。



着替え終えて体育館へと向かう途中、私のジャージの裾を引っ張ってアキナが言った。



「思ったんだけどさ、徳井先輩って彼女いるんでしょ?あの人に相談してみたら良くない?」



「相談!?先輩に?」



それは……そんな事、考えてみもしなかった。



徳井先輩も、将も今や長く一緒に過ごす仲。私の気持ちを知ってるかどうかは分からないけど、それを口にするなんて……。