「じゃあ……蒼南高校にする?今の所普通科には希望者いないみたいだし」



パラパラと書類をめくりながら先生は言った。


体育教師の彼女とは、大して仲が良いわけではない。


いわゆる、イジメられる方にも責任がある……という考えの彼女は強くなれない私が歯がゆいのだろう。




それでも、矢口菌がつくなんて何の根拠もない遊びを繰り返すクラスメイトのいる教室に比べたら、この生徒指導室の居心地は悪くない。



「その学校でいいです」



再び、気持ち程度に生ぬるい風が頬を撫でて行く。



じっとりとかいた汗を拭いて、先生に頭を下げた。