私の部屋。 アツシと暮らした荷物に相変わらず囲まれ、雑然としている中にある小さなテーブル。 足りないのはアツシだけ。 一人また置き去りにされたまま。 その上に乗っている箱一つ。 箱の真ん中辺りにあるボタンを押すと、少しの振動音と共に動き出し、私の目の前には鮮やかな世界が広がる。 スナックのお客さんが、買ってくれたパソコン。 一人で……ろくに身動きを取る事も出来ない、そんな私の相手をしてくれる冷たい空箱。