「絶対にもう一度結婚してくれる?」 「じゃなかったら……別れるなんて嫌だっ!!」 「俺、今度こそ目が覚めた」 「絶対に、頑張るから!!」 また、気を抜いたら負けてしまいそうな激しい愛の言葉を受けて、暗く事務的な公務員の手によって薄い緑の紙は受理される。 19歳の秋。 私はアツシと離婚した。 たった、11ヶ月の短い……それでもこれまでに無い愛を貰えた時間だった。 もう、逢う事は無い。 忘れよう。 そしてこれからは……新しく歩いていけると、そう思っていたのに。