そんな荷物を片付ける元気もない。



だって……私はまた待つ側になってしまった。



アツシに、暴力をふるった事を反省してもらって、嘘をつかなくなって、早くまた一緒になりたい。


そう思うからこそ、いつでも戻れるように……梱包されたままの段ボールを開ける気にはなれない。



そういえば……一人になった以上私もちゃんと仕事をしなくては。



戸籍上は矢口葵から石田葵へと変わっているのに。



それなのに、私はやっぱり独りでいる。