「ただいま……本当に、ごめんなさい」



親を振り切って、家を出たのが16歳。



あれから3年。



ケンを引きずるだけで、少しも成長していない自分が悲しい。



久しぶりに足を踏み入れた自分の部屋は、こんなに狭かったのかと思うぐらい……この3年間で荷物が増えていた。



それも仕方のない事。



「また、一緒に暮らすんだから持っててよ」



距離を置くにあたって飲んだ条件にはそんな事も含まれていて……自分の部屋に家電から食器、更には布団まで、二人の荷物全てが積み上がっていた。



無いのは……アツシの服ぐらい。