長かった冬を越え……少しそれでも生活の基盤、というものが出来かけた頃。
私は未だに、アツシの家族と会った事が無かった。
細い体の割に大食いのアツシが私の作った好物のから揚げを頬張りながら、自分の育った環境を話してくれる。
アツシの口から聞いた所によると母子家庭で……しかし腹違いの妹がいると言う事。
それを聞いただけでも複雑なんだって思った。高校を中退して、暴走族にいたと言うアツシの気持ちがなんとなく……理解できたり。
辛かったね。
寂しかったんだねって。
これからは私がいるから……そう思っていたのに。



