先日、都内の専門学校を一日借り切って学園モノの撮影を終え、もうすっかり道を覚えたビジネスホテルへと送ってもらっている時の事だった。
「あやちゃんさ、東京に住まない?仕事も増えてきてるし」
そう……西山さんから誘いを受けた。
確かに……急な撮影が入ればバタバタしてしまうし、毎回このホテルを予約してもらう手間も省ける。
東京の繁華街は地元のそれよりも活気付いていて、私の好奇心を満たすには充分だったし……。
それに、今までのように風俗業とAV業を掛け持ちすれば、いくら都心は物価が高いとは言え圧倒的に給料も高いはず。
きっとやっていける。
あの街で……来ないケンを待ち続けるよりも、思い切って離れてしまった方がいいかもしれない。
だから
「じゃあ引っ越す方向で考えます!」
私は……前向きに、東京行きを考えていた。