一瞬の間の後、二人も笑顔で返事を返す。
「おう!」
「宜しく」
そんなこちらの勢いに負けている二人をアキナは簡単に許したりはしない。
腰に手を当ててくすっと笑うと
「私達の事はアキナと葵って名前で呼んでね。こっちも名前で呼ぶから!」
アキナが放った突然の一言に膝から下に崩れ落ちる。
それは私に……今後ケンって呼べって言ってるみたいなものだよ?
まだ、マトモに会話した事すら無いのに!
「じゃあ、これから葵って呼ぶよ」
……え?
そうケンが発した……耳に伝わるぞくぞくするような低音ボイスが私の体を捕らえたとき、完全に恋に落ちたと感じた。
もう……本能に逆らえないよ。



