一人暮らしの私の部屋。



ワンルームの大半を占めるベッド。


タンスが2つ。


ラジカセ、テレビ、冷蔵庫、電子レンジ。


大きめの鏡、自分の載った風俗誌たくさん、夜の仕事用の派手なスーツ。


そして……キッチンには、いつかケンと使おうと少しずつ買い集めた可愛い食器達。



雑貨屋さんでお気に入りのお皿やカップを見かける度、必ず2つ買っていた。



いつか一緒に使おうって思いながら……そんな集めた食器達を見るだけで泣きそうになる。



紛れもなく私……一人の部屋。



そこを片付けると、壁に貼ってあるケンの写真に話しかける。



「ちょっと行って来るね♪」



傷ついた心と体を抱え、私は2年ぶりに昼間の世界へと帰ってきた。