そのメモを財布にしまい、そのまま立ち上がると……ジャニーズ系だと評判な、そして言われるままに数回関係を持った事もある店長に声をかけた。



「店長!私辞めますんで」



「は?ちょっ!あやちゃん!?」



無駄に働いたおかげでお金はある。少しぐらい仕事をしなくったってきっと平気。



そのまま夜のお店2件にも辞める、と電話を入れた。



ちょっとだけ遠くへ行こう。



気分転換……になるかもしれない。



また少し、堕ちる速度が緩くなる。



けれど、やっぱりまだ下を見ると深くて暗いから……ケンが来てくれる、そんな奇跡を信じて空を見る。