「ね、そこの電話番号教えてよ」



本当に、気まぐれでその子に話しかけた。



「はいっ!いいですよ」



これから風俗に堕ちていくんであろうその子から、メモに書かれた番号を受け取る。今の私には目障りでしかないピンクの女の子らしい可愛いメモ帳。



「ありがと」



免許……ね。



いくら表面上冷めようが、自分を壊そうが、奥底にある想いは簡単には消えてくれない。



車があったら……あの場所へ行ける。



ケンの住むあの場所へと……。



今度は一人で行けるかもしれない。