「じゃあ今日は来月にある新入生歓迎フェスについてね♪各学校がこうやってプレートを持って市内を行進して……」
そんな先輩の言葉が耳に入らないぐらい、私はぼーっとしていた。
要するに、私立の学校同士交流を深めて、更に社会貢献もして行こう!というのが趣旨な集まりらしい。
自由を大切にするこの学校で今一番盛んなのは制服自由化運動。もちろんその活動にも私フェスは大きく絡んでいる。
……って、聞けてない!!
だって……今日!私達の隣には!!
ケン君とその友達だという将君がいるんだから。
落ち着くわけが無い。
そわそわしながらちらっと横目で盗み見るとその横顔まで完璧に理想系。
ヤバイ……。
私の恋愛経験といえば、中学の時にたまたま知り合った年上の彼氏だけ。それもキス止まりだ。
どうしようもない……なんて思っていたらアキナが大胆にも二人に割って入った。
それも……不敵な笑みを私に残して。



