そっと、電気の灯る家を見上げる。



その明かりの中に……ケンがいるんですか?



家の前には何度も二人乗りをした自転車。全然変わっていないまま玄関前へと置かれている。


この手で……チャイムを押すことが出来たなら、どんなに幸せだろう。



あと少しなのに。



何かの気まぐれで、このドアが開けば……私達は再会出来るのに。



ここでケンに逢えるまで待ちたい。



だけど……。



「あやちゃん、見られたらマズいから戻って!!」



アキラさんの仕事は探偵。それは許されない。