静か過ぎる、何もないその街に一軒だけ細々と存在している旅館。 一日泊まって翌日の朝からケンの家を探そう……そう決めていた私は、窓を開けて空気を吸ってみる。 都会じゃありえない、澄み切った空気。 この2年間汚れてきた私とは逆に、ケンはこんな綺麗な場所で浄化されていたんだろうか? 目の前に流れる綺麗な小川とただただ深い森。 この……すぐそばにケンがいる。