「で?その顔はどうした訳?」
「全然寝れなくって」
翌日。
今日が緊張の活動初日だと言うのに、目の下の大きなクマをアキナにつつかれる。
「嫌われちゃうかもよ~」
「それは困るっ!!」
慌てる私がそんなに変なのか、お腹を抱えて爆笑しないで欲しい。
もぉっ!!
文句の一つでも言おうと口を開きかけた時、なにやらヒンヤリした丸い物体が顔に当たる。
「冷やしときな?少しは良くなるから」
それは……きっとお昼に飲む為家から冷凍して来たんであろうペットボトルのお茶。
結局優しくしてくれるアキナに何も言えなくなっちゃうんだから。
同じぐらいちっこい癖に、時にはお姉さんで時には妹みたいで。
ケンは、私とアキナが一緒にいたらきっとアキナを好きになるだろうな。
彼女がいるかどうかも知らないけど……可愛らしいアキナの笑顔を見ていたら、ついついそんな事を考えてしまった。



