電車に乗って約2時間。
それでも一本で到達することの出来るその街は……とても寒い。
駅を降りたった私達が見たのは一面の雪景色だった。
地元とは全然違う。
目に映るのは小さなスーパー、それだけ。
頬を赤く染めた高校生が私の隣を通り過ぎて行く。
田舎の純朴そうな子達の姿に、今の自分が痛い。
誰が見ても、高校生ではないって思うから。
そんな子達をみないフリして、黙って空に向かい短い手を差し出す。
やっぱり、ケンを想う時は空を見上げてしまうんだ。
来たよ。
ここまで逢いに来たよ。
もうすぐ愛しの人に2年ぶりに逢えると思ったら、心が弾むと言うより……緊張で壊れてしまいそう。
待っててね、ケン。



