そう、もうすぐ冬が来る。


その前に



私には……済ませておかなければいけない、大切な事がある。



それは



この世界。



風俗からの卒業。




マサトと逢わなくなってから、夜の時間を外で埋める事は変わらなかったけれど、「誰か」で埋めるような事はしなくなっていた。



ナナさんが連れて行ってくれたお店や、たまたま行ったチェックというパブで朝まで過ごす日々。



それは色恋が絡まない世界。



だってね、やっとここまで来たんだもん。



もう私には、偽者の愛なんて必要ないから。



そう、たぶん……普通の高校生では考えられない生活をして来たよね?



それも、もう終わりだから。



夜の世界からも少しずつ脱却して行く。



こっちの世界に、未練なんて無い。