季節は秋へと変わり、枯葉が舞い落ちる。



くるくると風に舞う枯葉を追いかけて、必死にその渦の真ん中に入ろうとする私の事を「子供だな」って笑っていたケンの顔を嫌でも思い出す時期。



駅からじっと北の方向を眺める。



ケンの住む場所。



それは……電車に乗れば一本で行けてしまう位の、隣にある県だった。



そんなに近くにいたなんて……。



だけどこれが隣県でも、北海道でも、沖縄でも、待つことしか出来ない私には変わらないのかもしれない。



ただ、近いだけに卒業したらすぐに帰ってこられるね?なんて、そんな事も嬉しい。



あと一つの季節。冬を越えたらケンに逢える。



本当に長かった。



長かったよ。