そんなに背は高くない、黒く焼いた肌が印象的なアキラさんは、数枚の書類を持って私の所へとやって来た。
私の為に、アキラさんが考えてくれたプランが何種類かある。
もちろん、私が持ってる情報だけでケンを探せる!なんて決まった訳じゃないんだけど
「たぶん大丈夫だと思うよ」
と、その言葉に後押しされる。
私が知っているのは、ケンの実家があった場所、それに当時の電話番号、ぐらい。
中でも電話番号は忘れられなくて、今でもそらで言えてしまうほど。
「金額なんだけど……電話番号はちょっと高め、住所だったらそこまでかからないかな?」
そんなアドバイスを受けて決心する。
「ケンの……住所を調べてください」
電話番号が分かった所で、どうせかける事は出来ないんだし……それなら住所が分かればそれでいい。
どこから迎えに来てくれるのか。
それが分かるだけでも少しは心穏やかに過ごせるような、そんな気がした。



