たぶん……今日もこの街にセイコ姉さんやサエさんはいる。



電話をすればおいで!ってきっとそう言ってくれる……けど。



コンビニ前の段差に座り込む私を、値踏みするようにじろじろを見つめる酔っ払いの視線から逃れるように……携帯を取り出すと電話帳画面をスクロール。



ナナ



その名前の所で手が止まる。



ライラの常連であり、現在同じ店で働くお姉さん。



番号は交換していたものの、一度も電話した事は無く、出歩いた事すら無い。



だけど……今日はマサトを知ってる人と一緒にいたい。



そんな想いが私を突き動かす。



助けて下さい……。



そんな願いを込めながら、そのまま発信ボタンを押した。