泣く元気も無くし……衰弱しきった私は、そのままコンビニとクラブが立ち並ぶ交差点で膝を抱えうずくまった。



知ってたよ。マサトにはOLさんの彼女がいるんだよね?



そして、私の心にはケンがいる。



恋愛なんかじゃ……なかった。



だけど、一瞬でもケンを重ねて救ってくれた事。それを感謝したい。



ありがとう……そして、バイバイ。



私も幸せになるから、健康になって……幸せになってね。



長すぎる時間を埋めてくれたマサトへ感謝の言葉を乗せ、風にそっと託す。



おかしいね?



あんなに似てると思った貴方の顔、今はそんなにケンに似てるなんて思えない。



まるで……魔法にかかっていたみたいだよ。