化粧もすっかり落ちてしまって、涙を堪える私にマサトはそっとカクテルを差し出す。 「ありがとう……マサト」 「気にすんな」 他のお客さんから見えない死角になったそのボックス席で、ぎゅっと抱き締められた。 スーツから零れだす大好きなエタニティの香り。この香りは何故か私をいつも落ち着かせてくれる。 優しいから。 マサトも優しいから。 そんなんじゃ私、依存しちゃうよ。 離れ……られないよ。