ケンと別れてから1年。 私は……とうとうその一線を越えてしまった。 マサトはケンじゃない。 そんな当たり前の事、分かっていたのに。 ケンの腕を思い出して ケンの体を思い出して いっその事……こんなに辛いんだったら忘れさせて? そんな事を思いながら、私を「あや」と呼ぶその人の背中へ……そっと手を伸ばした。