一人暮らしをしたら、仕事は辞めるんじゃなかったっけ?



もう、ここで頑張らなくても……質素に頑張れば何とでもなったはずなのに……。



毎晩一人で泣きそうになるのを抑えながら、お酒の力を借りて眠りについていた。



辛い想いを抱えた私の心の枷が外れてしまったみたいで。



「そいつの事忘れられなくてもいいから付き合ってくんない?ってか俺が忘れさせてやるから!」



ケンの事を話した時、そう言ったコウキの言葉を、私は黙って受け入れた。



そして……コウキのお店へと、ホストクラブへと、寂しい時間を埋める為だけに通い始めた。



ただ居場所があれば良かった。



私の存在を否定しない場所。



今日もキラキラ輝くネオンを浴びて……偽りの愛を、体で稼いだお金で……買いに行く。