気がついたらお店は閉店時間になっていて……。



それまでよりも一層照明が落とされ、周りが暗くて何も見えない。



そんな中目を凝らしていると



一度席を離れたハズのコウキが、私の元へと戻ってきて……また、肩を抱いた。



「あやの携帯教えて?」



半年振りに触れた人の温もりに、負けちゃうよ……。



こんな私は裏切り者で浮気者ですか?



正しい事じゃない。



それは理解していたつもりだけど……。



だけど、結果が全て。



寂しさに勝てなかった私は、持っていたメモに番号とアドレスを書き込むと、それをコウキへ渡してしまっていた。