マリさんが飲んでいるブランデーを、少しづつ飲みながら語る。
私の手元のグラスが空になる前に、コウキがそれを取り、氷を足し、お酒を入れる一連の作業をぼんやりと眺めていた。
ホストクラブのイメージなんてそんなに無かったけれど、何故かすんなり受け入れている自分。
周りには、同じような悲しい瞳をして、現実から逃れようとしている若い女の子達。違和感を覚えたのはそれくらい。
テレビのイメージだと、ホストって言うのはオバサマが行く所な気がしてたから。
風俗嬢が二人にホストが二人。
だからって、別に変わった会話が行われる訳じゃない。
例えば音楽だとか、例えばTVだとか、そんなどこにでもあるような話をしていた時。
-ビクン-
無意識に、私の体が跳ねた。



