誰かに甘えてしまうのが怖かった。 アキナのように、裏切るんじゃないか? この世界では、私の悩みぐらいちっぽけで笑われるんじゃないかって。 だけど……ソレイユのお姉さん達は、あやに当に優しくしてくれた。 だから今は、ここが間違い無く私の居場所。 葵をあの駅に置き去りにしたまま、私は歩き出す。あそこで立って泣いている女の子と私は違う。 1年半後、また再会した時に、心は綺麗なままケンの胸へと還ろう。 毎晩、知らない男に尽くす私は葵じゃない……と、せめてそう思いたいんだ。