コンコン。 「明優?起きてる?」 軽いノックと共に聞こえた大好きな人の声。 聖也は何もかも偉大だ。 聖也の声を聞いただけで、こんなにも胸が苦しい。 脈が早くなるのを実感する。 「起きてるよ」 あくまでも、普通に返事を返した。 だって、こんな醜い心を聖也に少しでも悟られたくない。