「明優もそんなとこ突っ立ってないでこっち来いよ」 なんで…? なんで聖也なの…? なんでその言葉をいってくれるのが家族じゃなくて、聖也なの…? こんなの…余計に辛い。 「ほら」 そう言われても、もう何年もまともに会話らしい会話をしてない家族と話すのは私には相当苦痛なもので。 「ううん。私部屋いくから」 あそこに座れば、もう先は見えてる。 自分が辛くならないように、私はその場から逃げるように部屋に入った。