「いくぞーっ!!よーい……ドンッ!!」 ひたすら走り続ける陸上部員達。 「うわ…陸部厳しすぎ。ずっと走ってるじゃん。」 「コーチが苛々してるのって風見高校に 凄い選手が入ったからでしょ?」 騒がしい女の子達の声が耳に残る。 ベランダから見る景色はいつもと違う。 「番場くん…どっか怪我してる…。」 そう思ったのは私だけだろうか。 そして、バッチリ目があってしまったのも、 すぐに彼を見つけられたのも偶然だろうか…。