新井はどうやら、温泉に入りに 来たわけでは無さそうだった。 「何しに来たの…?」 思わず聞いてしまった俺の言葉に新井は 少し困ったような顔をした。 「ありがとって…言いに来たの。」 「えっ…?」 新井は少し照れたような素振りを見せて、 俺に花束を渡してきた。 「柏原くんに花言葉を教えてもらったの。」 真っ白な花が俺の心を真っ白にする。 真っ黒な心をまるで 包むかのような綺麗な花。