「お邪魔します」


冬夜先輩がそう言うと、リビングからお母さんが顔を覗かせた。


「いらっしゃい。どうぞ、上がって?」


お母さんは初めて見る冬夜先輩に、少し興奮してるみたい。


あたしがリビングに戻ると、腕を引かれてキッチンまで連れていかれた。


「日向、凄くかっこいいじゃない!!」


お母さん、鼻息荒いよ…。


「お母さん」

「何?」

「お父さんと二人きりはまずいから、あたしリビングに行くね」

「わかったわよ」


お母さんは、口を尖らせながら言った。


あたしは急いでリビングに戻ると、お父さんと冬夜先輩の間に、変な空気が漂っていた。