嫌な気持ちにならなかっただろうか?

たまに、すごく無神経なことを言ってるような

気がしてしょうがなかった。

「いや、親が居ないとかそういうの本人から聞いた

方がいいと思うけど、俺が知る限り親が居ないのは

慶詩と京と馨もよく分かんねえや。」

「ほ、ほとんどじゃないか!!」

そんなこと知らなかった。

ナル君はそう言えばお母さん居ると言ってた。

早く聞いてれば無神経に家族の話とかしなかったのに!

「でも、ヒヨリンの家族俺は好きかもしんねえや。」

「えっ!?」

オロオロしてたら肩に乗る頭が微かに動いた。

「ヒヨリンがこんななのはヒヨリンを産んでくれた

人たちが居るからだろ?」

「そうだね。」

こ、こんななのって何だ!?

こんなちんちくりんですまなかった。

「ヒヨリンの話聞くの結構好きだぜ!」

「き、気を使ってるのか!?」

「それまで、ヒヨリンって澄ました奴だと思ってたけど、

何か全然違うよな。」

澄ましたヤツだと!?

「だとしたら、家の家族もその内紹介しよう。

かなりフレンドリー精神なのですぐに打ち解けるであろう。

まぁ、母さんとお兄ちゃんには要注意だけど・・・」

その前に、日本に帰って来てもらわないとだな。

「マジか!!」

「あ、あたしは絶対寂しい思いさせないよ。」

「えっ?」

ユウヤも家族の温かさを知らないのならあたしが頑張ろう。

「1人2役は厳しいが、ひと肌脱いで父ちゃんと母ちゃん

になってあげてもいいけどな!」

「何だよそれ・・・やめろよ!俺、泣くぞ!!」

「いいよ、泣いたってあたしが笑わせてやる。」

いつも笑顔の人ってきっと辛い。

あたしだってポーカーフェイスは辛いと思う。

だから、泣いたって笑わない。

その代わり、絶対に笑わせてあげるよ。



ちゃんと受け止める準備は出来てますから!