「君には本当に敵わないよ。」
稜さんがフッと笑みを零すものだから首を傾げた。
「稜さんに敵うところがあるとは思えんのですが!」
「ははっ、これだから君って子には参るね。」
「稜さん、そんなに笑っては駄目よ。」
こ、この夫婦似たもん同士だな!
何とも言えない呑気さはちぃ君のマイペースさに
繋がるような気がして何とも言えんぞ。
何とも穏やかな風景を見ているのだろうか。
個展にでも来たような気分だわ。
しばらくすると、廊下をドタバタする音が聞こえた。
「な、何事だ!?」
今から何が起こると言うのだと思いながら2人の前に
立って身構えていたらみんなが廊下の角からひょっこり
顔を出して来た。
「何やってんだ!」
け、慶詩の金髪がユサユサ揺れてた。
「何って、立ち話もなんだからそこに座って
お話を聞いて・・・・」
何だ、その目は!
あたしが何をしたというのだ。
「日和ちゃん、様子可笑しかったから何か
あったのかと思って気になってたんだよ。」
馨君のスマイルに目眩を起こして吐血しそうにあります。
「お、可笑しいところなどないがどうした!?」
「ヒヨリン、やっぱいつも通りだな。」
ユウヤがはにかむように笑った。
「何を当たり前のことを言うんだ!」
あたしどこか変だったかな?
「ならいいじゃねぇーの。」
伊織君には心配するというお心はなさそうだ。
「ヒヨリン居なくなって寂しくなったぞ!」
ナル君のピュアスマイル強力で威力が半端ないぞ。
「それはすまなかった!つい、美女に声を掛けられて
話に花を咲かせていたのだ。」
「美女って・・・」
京君そんな冷めた目であたしを見るな。
打たれ強いあたしでもこればっかりは泣いちゃうぞ。
「・・・・・何話してた?」
ちぃ君がご機嫌ナナメな顔をして夏君を抱きかかえていた。

