冬だというのにこのお庭はとても色鮮やかで見てる

だけでも癒されるほどリラックス出来る。

家のガーデニングも少し改善が出来そうだ。

お家に帰ったら早速手入れをしよう。

「あたしは何の役にもまだ立ってないのです。」

だからこそ、借りは返したいよ。

借りてばかりなんて嫌なんだ。

「そんなことはないと思うわよ。日和ちゃんが

気付いてないだけであの子たちにとっては代えの

利かない存在になってる気がするもの。」

「い、いえ、本当にただの凡人ですゆえ!」

冷たい風がひゅるりと肩を吹き抜ける。

落ち葉一つ落ちてない綺麗なお庭に、

目を輝かせるばかりだった。

「あの子たちは学校ではどんな感じなのかしら?」

そうか、純玲さんは普段彼らと一緒に暮らしてる

わけではないんだった。

それなら、尚更親としては気になるかもしれない。

「変なところ真面目ではあると思いますが、

とてもリーダーシップを取ることがお上手で、

テストもきちんと受けているので心配はとくに

ないかと思いますよ。」

「悪いところはないのかしら?」

クスリと純玲さんが笑うと小鳥がさえずり、

庭の石ころを蹴りながら散歩する様子をジッと見た。

な、なんて美しい人なんだ!?

「は、はっきりと言うと遅刻や早退が多いような気もします。

そ、そ、それから、先生方を敵に回しやすい傾向にあるよう

なので少しばかり気をつけてもらいたいです。」

「良かった。日和ちゃんが気を使ってくれてる

気がしたから本心を話して欲しかったのよ。」

「それは失礼しました。」

「いいのよ、ほら、問題児じゃない方が可笑しいでしょ?」

そ、それは頷いちゃいけないよね!

「あんまり気を使わないでね。」

純玲さんが良い人過ぎて極妻とは思えない!

こんなに綺麗で優しくて素敵な人に出会えた

のはある意味奇跡的な気がしてならない。

「あの、稜さんとご結婚されるのに抵抗はなかったのですか?」

稜さんも茶目っ気あって面白くてカッコイイ人だけども、

極妻になる勇気というものがあったのか是非とも興味がある。