ちぃ君があれだけ美形だという謎がついに解明された!
ご両親共々美男美女ならば子どもとして生まれてきた
ちぃ君もそれを持って生まれて来るわけで何だか落ち着かない。
友達のお母様と2人というのが何とも言えない雰囲気だ。
「日和ちゃん、こっちにいらっしゃいな。」
大和撫子純玲さんと横に並んだら如何にあたしが
ちんちくりんかを思い知らされそうだ。
「は、はい。」
き、緊張してしまうよ。
綺麗過ぎて本当に同じ人間なのか疑う!
廊下を歩くと組員さんがぺこりと頭を下げた。
純玲さんは会釈をしていて、あたしも釣られて
同じことをすると3人目の組員のおじさんが
まるで親子みたいだと恐れ多いことを口にした。
「そ、そんな烏滸がましいです。」
親子だなんてこんな綺麗な人がお母さんだったら
あたし宇宙へ飛び立つロケットで盆踊りするぜ?
「あら、どうしてかしら?」
こ、この人、ちぃ君の母さんで納得だ。
「お、お綺麗な純玲さんとあたしでは天と地の差です!」
「そんなことないわ。日和ちゃん、可愛いから
ドキドキして何を話したらいいのかしらね。」
な、何を言いますか!?
この方はあたしの方がずっとドキドキものですよ。
「あの子たちが女の子のお友達連れてきたの初めてなのよ。」
「えっ!?」
「彼女も連れてきたことないんだから驚いてるわ。」
「そんな・・・あたしなんか来て良かったのかしら!?」
一人混乱していると純玲さんが縁側に腰を下ろした。
その後を追うように横にちょこんと座るとまたクスリと微笑んだ。
「来てくれてありがとう。」
「お、お礼を言われるようなことは何もしてませんっ!」
「そんなことないわ。あの子達が学校に行く気に
なったのは日和ちゃんのお陰だと思うわ。」
「い、いえ、とんでもない。」
あたしは大したことしてなくて、見守りたいと心に
決めてるだけで役に立ててるのかすら分からない。
逆に迷惑をかけてばかりかもしれない。
「心配だったのよ。」
縁側から見る景色は澄んだ空気と綺麗に咲いた花、
緑の多い自然にいっぱいな場所で穏やかな気持ちになった。

